韓国のデジタル広告市場は2024年に約12兆ウォン(約1.3兆円)を超え、引き続き高成長を維持しています。特にモバイル広告は全体の70%以上を占めており、スマートフォンファーストの消費行動が定着した韓国市場において、デジタルマーケティングの重要度は他の主要市場と比較しても際立っています。本記事では日本では馴染みが薄い韓国独自のプラットフォーム特性と、日本企業が取り組む際の実践的なアプローチを解説します。

 

ネイバー(NAVER):韓国のデジタルマーケティングの起点

検索広告(네이버 검색광고)の重要性

ネイバーは韓国の検索市場シェア約55〜60%を占める(2025年時点)圧倒的な存在です。韓国ユーザーは商品購入前のリサーチをネイバーで行う傾向が強く、検索連動型広告(파워링크)や情報型広告(브랜드검색)へのニーズは依然高いです。

特に注目すべきはネイバーの「智識iN(지식iN)」や「ネイバーカフェ(카페)」「ネイバーブログ(블로그)」との連携です。ユーザーが購買前に「ネイバーカフェでの口コミ」を確認するプロセスは根強く、SEO・コンテンツマーケティングとの組み合わせがROI最大化に繋がります。

스마트스토어(スマートストア)でのEC統合

ネイバースマートストアは独自の販売ページを持てるEC機能で、検索広告との連動により商品ページへのオーガニック流入も期待できます。광고비 대비 효과(ROAS)を追跡しやすい環境があり、ブランド初期参入段階での費用対効果の高い手段です。

 

카카오(Kakao):生活インフラとしてのプラットフォーム

카카오톡(KakaoTalk)は韓国の月間アクティブユーザー4,500万人超(全人口の約87%)が利用するメッセージアプリです。カカオ챗봇(チャットボット)や카카오톡 채널(チャンネル)はCRMツールとして機能しており、알림톡(アリムトク:ビジネス通知メッセージ)や친구톡(チングトク:広告メッセージ)でのダイレクトコミュニケーションが可能です。

카카오모먼트(카카오모먼트)はDSP(Demand Side Platform)的な機能を持つ統合広告プラットフォームで、카카오톡・다음(Daum)・카카오맵・멜론など多数のカカオグループ媒体に横断的に広告配信できます。ターゲティング精度も高く、성별・연령・관심사(性別・年齢・興味)による絞り込みが可能です。

 

인스타그램・유튜브:コンテンツ主導の購買起点

인스타그램は韓国の10〜30代女性における購買起点として非常に重要な役割を果たしています。特にビューティー・ファッション・インテリア・食品カテゴリにおいてインスタグラムShopとの連動が進んでおり、コンテンツ→購買の導線設計が鍵です。인스타그램 릴스(Reels)のアルゴリズムは韓国語コンテンツへのリーチが高く、現地語でのショートビデオ制作への投資はROIが高いとされます。

유튜브(YouTube)は全年齢層に普及しており、特に情報系コンテンツ・レビュー・比較動画が強い傾向にあります。実際に使ったYouTuberのタイアップやコメントマーケティングとの組み合わせが高い効果を発揮します。

 

韓国の広告規制(표시광고법)の実務

韓国公正取引委員会(공정거래위원회)が所管する표시광고법(表示広告法)では、不当な表示・広告を厳しく規制しています。特に「最高」「No.1」「科学的に証明」などの最上級表現・効能・効果の訴求には根拠資料の準備が必要です。

SNS広告・インフルエンサーマーケティングにおいては、「광고임을 명시(広告であることの明示)」が義務化されています。「#광고」「#협찬」などのハッシュタグ記載、またはコンテンツ内での明示が求められ、未記載の場合は法的リスクがあります。日本企業の担当者が見落としやすい規制であるため、現地エージェンシーとの連携時に必ず確認を行ってください。

 


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